建築・DIY

窓の新設について。サイディングを壊してサッシを正しく入れる方法とは。

サイディング 解体 窓 設置

こんにちは、カルロス工務店のカルロス(@crls1031)です。

早大ラグビー部の先輩から「窓の新設したい」と相談いただきました。

(先輩と言っても知り合いではなく、SNSで見つけてくれた一回り以上上の方です。)

僕の経験ではフルリノベの際に、壁が何もない状態から窓を新設することはあります。

しかし、仕上がっている壁を一部壊して窓を入れ直すということはやったことがありません。

故に、どうすればいいのか、検討し始めました。

↓↓↓ フルリノベの事例 ↓↓↓

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現在、僕は1㎡=1万円定額制リフォーム”イメチェン”と業務提携して仕事をしております。

定額制リフォーム「イメチェン」 | 築古賃貸・中古住宅をお得にオシャレに

このフランチャイズ・グループには建築の各分野、それに不動産の企業が加盟しており、現在は42店舗あります。(2025年8月現在)

そこの工事相談スレッドに投稿し、各分野のプロフェッショナルに相談してみることにしました。

【相談】戸建の壁に、新たに窓を設置する方法

実際に投稿した内容はこちらです。

【相談】戸建の壁に、新たに窓を設置する方法

現調前ですが、施主より「住んでいる家に新しく窓を設けたい」とのご相談をいただきました。
そこで方法を検討しております。

施工する場合の流れとしては以下を想定しています:

ーーー

  1. 図面で柱・梁・筋交いの位置を確認
  2. 問題なければ
 - 内側:石膏ボードを開口
 - 外側:サイディングを開口
  3. サッシを設置し、周囲を役物(?)で防水処理
  4. 内部の仕上げ(枠材、ボード補修、クロスなど)

ーーー

想定している関係業者:

* 外壁業者(サイディング屋)
* 大工
* クロス屋

実務上の注意点や、構造判断のポイントなど、ぜひアドバイスをいただければ幸いです。


どうぞよろしくお願いいたします!

サイディング 解体 窓 設置

(実際は図面も共有しています)

【回答】戸建の壁に、新たに窓を設置する方法

各分野のプロフェッショナルの、社長の回答を載せます。

雨漏り補修のプロ・塗装社長の回答

雨漏り修繕のプロ、塗装屋の社長から回答頂きました。

彼は年間何十件も雨漏りの修繕をしている専門家です。

雨漏りの観点だけで言えば、開口部まわりだけでなく、絡むサイディングはすべて解体する必要があります。

その上で、

  • 透湿防水シート(タイベック)の張り替え
  • 窓周りのブチルテープ処理
  • 通気工法(木造)の場合は胴縁の入れ方を考慮

といった施工が必須です。

これらを省略すると、雨漏りのリスクが高まります。

特にツーバイ工法では、軒天の出幅を考慮した雨仕舞いができていないと、雨漏りにつながる可能性が大きいです。

実際に現場で施工する大工社長の回答

この道10数年のプロフェッショナルな大工社長にもご回答いただきました。

社長にはいつも僕の現場での収め方などを相談させて頂いており、大変ありがたいばかりです。

図面を見る限り、これは軸組の平面図に該当すると思われます。

なお、筋交いの表記については平面図に記載しない会社もあるため、軸組構造図などが併記されている可能性があります。

役物については、既製品を使うのではなく板金屋に製作を依頼した方が適切でしょう。

サイディングについては、矩計図で厚みを確認することで「全面胴縁」か「金物による取付」かを判断できます。

ただし、外壁仕様書には厚みの記載がない点に注意が必要です。

また、窓周りのブチルテープは立ち上がり部を含めて窓台部分にも施工する必要があります。

矩計図があれば、通気処理が行われているかどうかも確認できるでしょう。

さらに、軸組工法であっても面材で耐力を確保する工法も存在するため、その点にも注意を払う必要があります。

現調すると、一つの窓がすでに交換されていた

以上のアドバイスをもとに、大工事になるだろうと思いながら、現調に臨みました。

施主様は合計4つの窓の交換を希望されており、うち1つが交換されていました。

それで実際に交換されていた窓がこちらです。

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現調した感想

実際に僕がみた感想がこちらです。

  • 外壁側のサイディングは、最低限のカットで対応している点がすごい。
  • 内壁側のボードも、最小限のカットで処理されていてすごい。
  • 役物は、このようなものを使用すれば良いのかと参考になる。
  • コーキングがやや厚めに仕上げられている。
  • この納まりで本当に大丈夫なのか・・・

これが正直なところです。

最低限で開口しているのは素晴らしい技術だな、と思いました。

が、はたしてこれで雨仕舞いは大丈夫なものでしょうか、という疑問が残ります。

【再・相談】戸建の壁に、新たに窓を設置する方法

今回の現調を経て、再度イメチェンの加盟店の社長たちに相談させて頂きました、

実際に相談した内容はこちらです。

先日相談させて頂いたサイディングぶち壊し、新サッシ取り付けの現調に行ってきました。

あと3つやってほしいそうですが、前の工務店が一つやった事例を見ました。

内側のボードもドンピシャで開口し、誤差はコーキング処理、外側も役物を入れて、分厚めのコーキングで仕上げていました。

初めての施工だったので驚きでしたが、これでいいんだ…と学びました…

けど、これで大丈夫なもんなんですかね?!

【再・回答】戸建の壁に、新たに窓を設置する方法

また皆さんの回答を頂けたのでこちらに記します。

デザイン設計が得意な設計士社長の回答

デザイン設計が得意で、いつもめちゃくちゃカッコいい内装を手がけられている社長にご回答頂きました。

サッシをギリギリまで寄せてしまうと、防水紙や水切り部材の重なり代がほとんど確保できません。

正直、かなり粗い施工に見えますが、実際のところどうなのでしょうか。

実際に現場で施工する大工社長の回答

事前にも回答頂いていた大工の社長からも回答いただきました。

前業者のやり方だと一次防水しか効いていないので、コーキングが切れたらすぐに建物へ浸水してしまう気がします。

コーキングの仕上がりもかなり雑ですね(笑)

どう見てもシーリング頼みの納まりで、方角や条件によっては5年程度で雨漏りしてしまう可能性もあると思います。

2人の回答判明した3つの問題点

設計士社長と大工社長の回答から判明した問題点は3つです。

  1. 重なり代不足

    サッシをギリギリに寄せているため、防水紙や水切り部材の重なり代が確保できていない。

    結果として、正しい雨仕舞いができていない可能性が高い。

  2. 一次防水しか機能していない

    本来は防水紙やテープ処理などで二次防水を確保すべきところが、省略されている。

    そのため、コーキング(シーリング)に依存した納まりになっている。

  3. コーキング依存のリスク

    コーキングの仕上がりが雑で、劣化するとすぐに雨水が浸入する恐れがある。

    方角や条件によっては、5年程度で雨漏りにつながるリスクがある。

僕は入隅部分に窓を設置す雨漏りリスクは考えられませんでしたが、その点が最大にまずいところだったようです。

それに最低限の開口で収めているのは素晴らしいと思いましたが、それは望ましくなかったようです。

正しくは関係するサイディングは全て取り外し、0からやり直さないと雨漏りリスクが高まるようでした。

まとめ:サイディングを壊してサッシを入れる正しい方法

以上、正しい方法を導きました。

サイディングを壊してサッシを入れる正しい方法
  1. 窓開口に関係するサイディングを全て外す
  2. 下地を足して、サッシを据え付ける
  3. 防水テープでサッシ周りを処理する
  4. 透湿防水シートを重ね方に注意して貼る
  5. サイディングを窓に関係するところを開口して、元に戻す
  6. サッシ周りとサイディング目地をシーリングして仕上げる

そもそも入隅に窓を設置するのは望ましくないですね!

仕事に直面し、僕自身とても勉強になりましたので、この知見を共有できれば幸いです!

おまけ:軒ゼロ住宅の雨漏りは要注意

雨漏り補修のプロ・塗装屋社長から別角度のアドバイスも頂きました。

これも非常に有益だったので掲載します。

軒ゼロ住宅は特に注意が必要です。

昔の家の庇にはしっかりとした意味がありましたが、現代の軒ゼロ住宅では、窓周りだけでなく軒からの雨漏りも非常に多く発生しています。

主な原因は、壁と透湿防水シート(タイベック)が壁までで止まり、野地のルーフィングも野地までで切れてしまっていることです。

壁が通気工法になっているため、軒がないことで軒先からの風雨による噴き上げに対して雨漏りしやすくなります。

雨漏り修繕を専門に行う人たちの間では、「ルーフィングを巻く人」と「タイベックを張る人」の施工タイミングや順番が、雨漏りの観点では真逆になりやすいこと、さらに気密性とのバランスを取るのが難しいことが、永遠の課題として語られています。

どうしても専門職の人たちの順番で作業をしてしまうため、このような現象に陥ってしまうんですね。

もっと学んでいい施工に努めなければですね!

西多摩エリアのリフォーム工事はカルロス工務店へ

あきる野市・日の出町・青梅市など、西多摩エリアはもちろんのこと

呼ばれればどこへでも飛んでいく所存です!

 

現地調査・お見積もりは無料ですので、お気軽にご相談ください。